賢二2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、りんどうの花が咲いている。もうすっかり秋だねえ。」カムパネルラが、窓の外を指さして云いました。
線路のへりになったみじかい芝草しばくさの中に、月長石ででもきざまれたような、すばらしい紫のりんどうの花が咲いていました。
「ぼく、飛び下りて、あいつをとって、また飛び乗ってみせようか。」ジョバンニは胸をおどらせて云いました。
「もうだめだ。あんなにうしろへ行ってしまったから。」
カムパネルラが、そう云ってしまうかしまわないうち、次のりんどうの花が、いっぱいに光って過ぎて行きました。
と思ったら、もう次から次から、たくさんのきいろな底をもったりんどうの花のコップが、くように、雨のように、眼の前を通り、三角標の列は、けむるように燃えるように、いよいよ光って立ったのです。

(宮沢賢治 銀河鉄道の夜より抜粋)

 

賢二

 

 

 

 

 

 

 

 

8月の文豪カクテル第二弾、宮沢賢治「月長石」

誰もが不動の一度は触れたのことのある童話の名作をカクテルプレートに表現いたしました。

リンドウの花を連想させる薄紫色のカクテルは、自家製ブルーベリージャムをふんだんに使用したヨーグルト風味のまろやかな味わい。

銀粉の星屑をちりばめた 銀河プレートには琥珀糖、胡桃、マスカルポーネチーズを添えたバケット、ジョバンニとカムパネルラに見立てた小さなベリーが寄り添います。

 

賢二プレート

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらも8月末までのご提供です。漆黒に輝く星屑のかけらを是非ご賞味下さいね。

十誡