夜になると、彼の女の眼から落つる涙は、
成る程異人の云ったように真珠色の公明を放って、
暗黒な室内に螢の如く瑩々と輝きます。(人魚の嘆きより抜粋)
7月の文豪カクテル第2弾は谷崎潤一郎。
永井荷風に高く評価されたことでも知られる、近代日本文学を代表する作家の一人です。
数ある名著の中から今回は短編『人魚の嘆き』を選びました。
谷崎の流麗な文体に沿う、水島爾保布(みずしまにおう)氏の妖艶な挿絵が美しく、一気に物語の世界へ引き込まれます。
そんなロマンティックな物語に合わせたカクテルは、季節の桃をたっぷりと使用したベリーニ!
なめらかな口当たりと淡い桃色は人魚の肌や真珠を連想させます。
グラスの口には薄いブルーの海塩とキャンディーの尾ひれを飾りました。
塩気が桃の甘みをより一層引き立てます。
貝殻のお皿に乗せたお菓子と一緒にお召し上がりください♪
夏の訪れを感じる爽やかなラインナップです。
どちらも7月末までの限定。是非ご賞味くださいね!
十誡