彼は彼女を腕の中に強く抱きかかえた。
彼女はなま暖かく、いい香りがした。白いものがいっぱい詰まった箱から出てきた香水の瓶だった。
〔うたかたの日々 より抜粋〕
『notes de fond〜うたかたの日々〜』
3月の文豪カクテル第二弾はフランスの作家ボリス・ヴィアンの青春小説『L’Écume des jours うたかたの日々』をイメージ。
うつろいゆく儚い日々を、香水の香りの変化に例えた、ブルーグレーが美しいカクテルです*・゜゚・*:.。..。.:*・*
今回のイメージソースは物語にも登場する香水。
香水は新鮮でフレッシュな香りからはじまり、終わりに近づくにつれ徐々に重々しく深みのあるものに変化していきます。
カクテルは香りの消失前の一番濃く漂うベースノートをイメージしてお作りしました。
メインのアロマはコランがクロエにあてた花束とクロエの肌をイメージソースに
グリーン、フラワー、馨しいパフューム。時にスパイス….
ジンに花で香りをつけたお酒であるヴェルモット(花で充たされたクロエの部屋)、パルフェタムール(クロエの肌)にバニラビターズをひとしずく。
カクテルの上には銀箔きらめくアイレ〔泡〕を乗せました。
ほんのりシナモンが香る泡がはじけるごとに、彼らの幸せだった日々が思い起こされるような切なくロマンティックな一杯です。
月の影のような、春先のくもりの日のしめった空気のような、どこか翳りのある大人の色気を感じる一杯。
こちらは3月のバータイム限定メニューです✨
ご予約、ご来店をお待ちしております♬
十誡